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故小野寺啓治氏を偲ぶ

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小野寺啓治氏が亡くなった。2015年11月初旬 [1] だという。 小野寺啓治とは誰ぞや、ときっとお思いのことだろう。 ネットでは、氏のまとまった情報を得ることは難しい。検索して出てくるのは、主に氏の著作と、上野精養軒で行われた関係者による「偲ぶ会」のページくらいなのだ。Wikipediaにも無いし、自身のホームページもない。いや、実は生前「書道ジャーナル研究所」という立派かつ有用なサイトがあったのだが、没後、きれいさっぱり閉鎖してしまった。(http://www.shodo-journal.com/)。 2015年10月現在の「書道ジャーナル研究所」トップ WayBack Machine(https://archive.org/)より 調べる中で、氏のFacebookページを見つけたが( こちら )、2013年3月から5月までの写真4枚しか、閲覧することができない。もちろん、1936年生まれという氏の年代から考えれば、Facebookをやっていて、プライベートの写真が見られるというのは、貴重なことではあるのだが。 小野寺氏は、美術評論家および書家である。生前は、いくつかの大学で講師を務め、『書道ジャーナル』という月刊誌を発行し、また数多くの著作を残した。手元にある氏の本から、彼の略歴を以下に引用する。 小野寺啓治(おのでら・けいじ) 昭和11年東京八王子に生る。昭和38年学習院大学大学院人文科学研究科美学美術史コース修了。専門 日本美術史・書道史。 現在 学習院・工学院大学・相模女子大学・中央美術学園講師のかたわら、美術評論・書作・篆刻・民芸運動に従事。 [2] サイト「書道ジャーナル研究所」の事務所は東京の調布市にあったのだが、グーグルマップで調べると、長野県富士見町に、同名の、現在は閉鎖中の出版社がある。氏は同じく富士見町に、小野寺美術館という自身の設立した美術館まで持っていたのだが、こちらももう閉鎖しているかもしれない。(住所は長野県諏訪郡富士見町立沢1−223。執筆現在、グーグルマップではまだ見つけることができる。) 小野寺氏の著書は、どれも絶版と思われるが、大体のものは、ネットで容易に手に入れることができる。ほとんどが書道、特に日本の現代書道に関するものである。しかしその中で、民芸に関するものがいくつかある