ICU生から任意に選んだ2人がFacebookの「友達」または「友達の友達」である確率は96.3%

ICU生の直感に、ようやく数学の裏付けがとれた。

ICU(国際基督教大学)の学部生から任意に選んだ2人が、フェイスブックの「友達」または「友達の友達」の関係にある確率は、およそ96.3%であることがわかった。

2011年8月撮影

ICUの世界は狭い。学部生は2800人ほどで、マンモス大学の1学年にも及ばない、比較的小規模の大学だ。それゆえ、初対面の人でも、必ずと言っていいほど共通の友達が誰かしらいて、おかげでぎこちない会話も一気に和らぐ。

それが巨大な友達ネットワーク、フェイスブックの世界だと、共通の友達は手に取るように分かる。

数年前の調査だが、ICUは日本でもトップクラスにフェイスブック利用率が多く、かてて加えて、大学の規模も小さいと来た。フェイスブックでICU生の名前を検索すると、友達のそう多くない私でも、ほぼ100%、私とその人との間に何人かの友達がいる。ICUは、本当に狭いのだ。

しかし、それはあくまで経験的なものにすぎない。調査しようとする人も現れなかった。

しかしなんと、2014年のICUの一般入試に、この「ICU版スモール・ワールド現象」をずばり問う問題が出題された。問題文は次のようである。

ICUの学部生から任意に2人を選んだとき、その2人がSNS「フェイスブック」の、「友達」または「友達の友達」の関係にある確率を推定せよ。ただし学部生の人数は2800人とする。また小数で答える場合は、小数第3位まで求めよ。

この問題は、試験科目のうち「自然科学」の「数学」で出題された。正答率は2割に満たなかったという(関係筋)。

これは、「全世界でピアノの調律師は何人いるか?」といった類の、いわゆる地頭の良さを問う問題で、回答に論理性と正当性があれば、細かい値は問うていないと考えられるが、やはりそれらしい回答を出すのは簡単ではない。

私も先日問題を見、統計に長けた友人とフェイスブックの内情に詳しい知人に問い合わせなどもしつつ、3日間に及ぶ計算を行った。その結果、標題の通り、約96.3%という値を得た。ほぼ私の直感に一致する結果である。

詳しい解法は省略するが、値を導くにあたっては、まずICU生の中でフェイスブックを利用している人の割合をうまく推定するところが最初の難関だ(98%あたりでやってみるといい)。また精密な値を求めるには、高校数学をはるかに逸脱する難解なグラフ理論の知識と、計算機が必要となる。

初めは数時間で解けるだろうと高をくくっていたが、問題を解きながら、このような手強い問題に2割弱の受験生が正解したというのは、驚かざるをえないという思いに至った。これは今年の新入生には期待が持てそうだ。それともあまりの難しさに先生たちが情状酌量して、正答基準をおもいっきり下げたのかもしれない。いずれが真実かは、まもなく分かるだろう。

これはエイプリルフールのために書かれたウソの記事です。

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