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5月, 2013の投稿を表示しています

「ラファエロ」と植物公園と「あ」と「未来を変える」

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一気に。 13日の月曜日は 国立西洋美術館 に「 ラファエロ 」を見てきた。この日は 大学生無料招待 だったのだ! ラファエロは高校の世界史で習った程度、いやそれさえも忘れているので、半分も楽しめなかったに違いない。だが、かのラファエロが日本に来るのだから、見なきゃ損に決まっている。もっと知識があればもっと楽しめただろうが、500年という時間を全く感じさせず、そして皮膚、衣服、毛皮の陰影、質感の生々しいのには目を見張った。素人目にも、ラファエロの筆使いの妙に感動せずにはいられなかった。 会場はやや混み気味。周りが学生ばかりなのがどうしても落ち着かず、早めに出てしまったのが少し悔やまれた。 17日の金曜日は、友達と大学の近くの 神代植物公園 に行ってきた。バラが見頃で、主にご年配の方で平日とは思えないほどの混みようだった。広すぎて回りきれなかった。 ずーーっとバラ! さてさて霧雨の降る20日(月)には、なにかと話題の「 デザインあ展 」に行ってきた。天気も平日もなんのその、というほどの人の入りようで、よいよいよいよい、今日月曜だよ?雨降ってるよね?と驚かずにはいられなかった。しとしと静かな人影の少ない外と(ぎろっぽんのミッドタウンである)、がやがや賑やかな館内とのコントラストは可笑しかった。 だが、恐ろしきかな、前日の日曜は1時間半待ちだったらしい(名も無き人のInstagram 1 、 2 、 3 、 4 )。それを思えば楽々と0秒待ちでは入れた私は幸せだったと言わなければならない。私は テレビ放映 を見たことがないので、何がそこまで惹きつけるのかわからない。もちろん楽しかったけど。 緊張の六本木。1人で来るのは初めてなのでした。 深い深い地下鉄に乗って、決して良心的ではない入場料を払って、帰りは帰宅ラッシュに巻き込まれたのに見合うくらいの満足は、得た。ところで正直なところ、楽しみの半分くらいは会場の建築だった。安藤忠雄の設計という。 そのついでに、「 未来を変えるデザイン展 」も見てきた。これもミッドタウンでやっていたのだ。(会場が私には高級すぎてどぎまぎして、場所がなかなか分からなかったが、)小規模で無料だった。

『ビジュアル・コンプレキシティ』と『フランス語史を学ぶ人のために』

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2冊まとめて。 マニュエル・リマ(2012)『 ビジュアル・コンプレキシティ 』BNN Manuel Lima. (2011). Visual Complexity . Princeton Architectural Press. 情報の可視化には多少興味がある。ビジュアルが面白くて読んでみたが、本書の可視化作品はたいてい煩雑すぎて、可視化の効用がまったく引き出されていないことに気付いた。ただキレイっぽいだけだ。しかも邦訳があまりこなれておらず、おまけに段落の字下げが、日本語で慣習的な1文字ではなくて4文字くらいもあったり、括弧内の文字が一回り小さかったりと、なかなか革新的な体裁であった。 ピーター・リカード(1995)『 フランス語史を学ぶ人のために 』世界思想社 Peter Rickard. (1989). A History of the French Language . Unwin Hyman. 今日読了。言語の歴史、今度はフランス語史だ。フランス語は全く知らないのだが、その歴史には少し興味があった。というのも、なんで綴りの語末の子音を発音しないのという疑問と、なんでrの発音が あんな変 なのだという疑問が、かねがねあった。歴史が答えを教えてくれるはずだ。 はじめて読むフランス語史に、情報量の多いのを選んでしまって少し後悔。読むのに相当時間がかかってしまった。(借りたのは3週間近く前。)いい本なのだが、こちらも邦訳がいまいち巧くなくて残念。

柳宗悦づくし

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柳宗悦? 民芸運動とかいうやつだっけ? 高3のときセンター倫理のために暗記したわ。「柳宗悦・・・民芸」。 今、その 柳宗悦 (むねよし。通称そうえつ)に傾倒している。3週間前に図書館で『手仕事の日本』をふと見つけてからというもの、柳色に染まっている。今なら、最近の人生のターニングポイントはいつかと聞かれたら、今だ、と答えてもいいかもしれない。突然だが、とにかく柳宗悦一色なのだ。 柳宗悦(2009改版)『 手仕事の日本 』岩波文庫 時運もよかった。本書を読み始めた折のこと、GWに地元長野に帰るので、その機会に(授業の関係の)美術館見学に行けるなと思って 松本市美術館 をチェックした。そしたらなんと、まさか、「柳宗悦展」開催中だって!? わわわ。運がいいというか、世界は自分を中心に回っているに違いないと思った瞬間であった。さらに、だんだん分かってきたのだが、柳宗悦は松本民芸家具を通して松本に相当縁が深いらしい。松本市は民藝運動の一つの拠点として通っているそうだ。何たるめぐり合わせ! というわけで、上の本を読み終え満を持して、5月5日(日)に松本市美術館と松本民芸館、そして今日11日には東京駒場の日本民藝館と、合わせて3館に行ってきた。欲張った。 まず松本市美術館、「柳宗悦展 ―暮らしへの眼差し―」だが、百聞は一見に如かず。本で読んだものを、自分の目で確かめる機会である。学ぶところ多い。そんでもってミュージアムショップの品揃えがそれはそれは良くて、購買意欲をこれでもかとくすぐるものだから困る。ショップだけでもまた行きたいのだが、残念ながら会期中にまた帰郷する時間はない。 美術館に行った足で、次はその近くの 松本民芸館 に「柳宗悦が育んだ 松本の民芸 ~クラフトの原点~」だ。美術館でチケットをもらって初めて分かったのだが、そこでも、柳宗悦にちなんだ展示をしていた。(実は市内の4館で民芸をテーマに共同開催していたらしい。)ラッキー! 松本民芸館入口 ここは建物だけでも一見の価値がある。美術館は何度も行ったことがあるので写真は撮っていないが、ここは初めてだったので撮った。立派な門と、雑木林の庭に囲まれた蔵造りの建物だ。私は地元にあまり詳しくないので、こんなところがあったのかと、感動した。ちなみにここ、アクセスはあまりよくない。 工芸の息づ

刻字 木皿に甲骨文「食」

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「食」字の甲骨文を4つ。食べることはとても大事なことなので、大昔から漢字がある。実に殷の時代からある非常に古い字なのだ。この作品は、 先日 見た(おそらく)青銅の器「史頌き」に着想を得た。 無印良品で買った、なんてことはない木皿に、 墨書したものを敷き写し、貼る。 あっという間に彫り終わる。 硬いと思ったらやけに柔らかくて、むしろ扱いづらかったのである。 色を塗らないのも格好よかったのだが、 今回は塗った。 アカシア アクリルガッシュ ⌀20cm