2012年1月30日月曜日

大学入試問題を使って高校生にも分かりやすく数論を紹介する本

久しぶりに純粋な数学の本を読みました。前回読んだのは実に1年8か月前です。

ちなみにあまり数学の本を読まない理由は、それらは大抵簡単すぎるか、難しすぎるか、やたら文字が多いかのいずれかだからな気がします。例えば、最近本屋に行くにつけ平積みされていてよく見かける面白くて眠れなくなる数学 [単行本(ソフトカバー)] / 桜井 進 (著); PHP研究所 (刊)は、一瞬見てみましたが、知っている内容が多くて、私向けではありませんでした。もしくは、数学界随一のミステリアスな存在で、私の興味を引く数学者ラマヌジャンの伝記は、やたら厚くて文字が細かいので読む気が失せました。

ですが先日ICU図書館で手に取った大学入試問題で語る数論の世界 (ブルーバックス) [新書] / 清水 健一 (著); 講談社 (刊)は、今までに無いものでした。



本のタイトル通り、数論(整数の性質を研究する数学の一分野)を扱った大学入試問題をたくさん使って、古典的な定理から今ホットな未解決問題まで、数論が概観されています。難易度は数IIIくらいで、高3生にちょうど良いくらいです。

もし本書が入試問題抜きだったなら、ただの陳腐で退屈で無機質な、数の不思議の本だったでしょうが、大学入試問題という言葉に、良い意味で敏感に反応していた受験生時代の心をくすぐる、心憎く画期的な本でした。

2012年1月27日金曜日

この分野ではかなり有名な本:「共感覚者の驚くべき日常」

また共感覚の本です。

年末から2週間くらい読んでいなかったので、読み始めから終わりまで1か月以上かかってしまいました。Amazonで「共感覚」と検索すると、真っ先に本書が出てくるので、おそらく共感覚関連ではかなり有名な本みたいです。

共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人 [単行本] / リチャード・E. シトーウィック (著); Richard E. Cytowic (原著); 山下 篤子 (翻訳); 草思社 (刊)



有名だからといって、共感覚オンパレードを期待したのは間違っていたようです。登場する共感覚者は男性1人(味覚と嗅覚が触覚を誘発する珍しいタイプ)と、女性が1人ほんの少し登場するのみです。

むしろ、医師である著者が目指すのは、共感覚の定義と果敢な解明(著者が初めて共感覚に出会った1980年当時は、共感覚は医学的対象とされておらず、ほぼゼロからのスタートだった。)、テクノロジーに依存し人間の主観を全く顧みなくなった医療に対する疑問の投げかけ、そしてクライマックス、人間は理性か情動か(脳で言えば皮質か辺縁系か)という問題の追求、この3つだと私は解釈します。

本書の始めで著者が言う通り、共感覚の謎を解くことは、共感覚者というごく少数の人だけでなく、私たち全員の脳の働きにも深い洞察を与えてくれるのです。

2012年1月19日木曜日

「人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。」で感化される

私はここ1、2年、書店で本をほとんど買っていませんが、ICUの三省堂書店(驚くなかれICUに生協は無い。)は知的な本や学生向けの本が揃えられていて、とても好きです。(これはどこの大学生協でも同じだろうけど。)

その三省堂で先日、私の目に飛び込んできたのが、人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 [単行本(ソフトカバー)] / 千田 琢哉 (著); 日本実業出版社 (刊)です。



まず、著者がすごい。高校まで漫画以外の本を1冊たりとも読んだことが無かったのに、大学に入って、あることをきっかけに狂ったように本にのめり込み、以来1万冊もの本を読んできたという信じられない来歴の持ち主です。よほど買いたいと思いましたが、結局2回の立ち読みだけで読破してしまいました。書かれているのは、乱読のすすめ80個です。そのくらいなら私だって立ち読みで読み切れます。

私の読書の量や質なんて大したことありませんが、これを読んで読書へのモチベーションが上がりましたし、読書が好きでよかったと強く思いました。私の心を動かしてくれた著者に感謝です。ただ、著者に申し訳ないのは、本書に「少しでも興味がある本は迷わず買え」とあったのに、肝心の本書を、迷った挙句買わなかったことです。図書館で満足している私をどうかお許し下さい。

もし私が今よりたくさん本を読むなら、ブログに紹介している暇も無いだろうし、ブログにだらだら書いている時間も惜しい気がしたので、今後は本の記事は短めでいこう。

著者、千田琢哉のウェブサイトはこちら

2012年1月8日日曜日

意外と知られていない? 新書「アスペルガー症候群」

先月の「ぼくには数字が風景に見える」に始まって、私はアスペルガー症候群や、神経や精神の病の本を読んだり、映画を見たりしていますが、以来アスペルガー症候群に興味を持ったので、大学での今学期の英語のエッセイのトピックをアスペルガー症候群にしました。今回紹介するのは、そのエッセイのために読んだ本です。

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2) [新書] / 岡田 尊司 (著); 幻冬舎 (刊)



ほとんどの人はアスペルガー症候群の名前くらい聞いたことがあるだろうと思っていましたが、親しい友人にも知らない人がいたので、意外と知名度は低いかもしれません。

ちなみに私のエッセイのテーマは、そうした無知によるアスペルガー症候群に対するステレオタイプと、アスペルガーの人がしばしば優れた能力を持つという事実との乖離を、中等教育で埋めるべきだというものです。世の中をリードした(している)多くの有名人にアスペルガー症候群が疑われているという事実は、本書で知り、そして驚きました。

アスペルガー症候群に似たものに、自閉症というのがあるのですが、この2つは言語の発達度合とIQが違うだけの、連続した症候群とみなされ、その2つなどを総称して自閉症スペクトラム(連続体)と言われます。

本書を読んで思ったのは、人間の脳は全く不可思議だと改めて感じたのはもちろん、アスペルガー症候群の人と、そうでない人との線引きも難しいということです。アスペルガー症候群と自閉症の境界がぼんやりしているのと同様、アスペルガー症候群と普通の人との境界も曖昧なのではないかと思いました。

2012年1月4日水曜日

今ここでしか売ってないから。「東京スカイツリー 空へ未来へ」

1月1日までは長野でゆっくりして、2日には家族そろって埼玉の親戚宅に遊びに行きました。

そこから、両親の希望で浅草に行きましたが、浅草寺も浅草演芸ホールも大混雑で行けませんでした。なので諦めて、東京スカイツリーを間近で見てきました。私は9/30のMidnight Walkのとき見て以来2回目でしたが、両親は初めてでした。

そのついでに、私はかねて欲しかった、読売新聞社によるスカイツリーの冊子を買いました。

その冊子は、「東京スカイツリー 空へ未来へ」といって、読売新聞江東支局東京スカイツリー前分室だけで売っている代物です。行ってみると、時期が時期なのもあって、狭い部屋には人がたくさん。いくつかグッズがあった中でも、「空へ未来へ」はスカイツリーの写真だけを収めたやつと、スカイツリー関連の新聞記事を寄せ集めたやつがあり、私は写真の方をVol.1、Vol.2ともに買いました。

(分室は、スカイツリーを見るのにこれ以上の特等席は無いくらいの、憎いくらいの立地だった。)

その後、300年続く「長命寺桜もち」の桜餅を食べてきました。

2012年1月2日月曜日

元日に見た名作映画2本が偶然にもシンクロした

明けましておめでとうございます。本年も本ブログをよろしくお願いします。

毎年恒例の初日の出(今年で7回目)ですが、ほとんどの友達が地元から全国に散った今回も、予想以上の参加率で見に行くことができました。多くの友達とは久しぶりに会いました。

さて、私は映画は全く見ないんですけど、最近、意識して見たかったやつを挙げてみたら、いくつかありました。それで先月30日に帰郷したときに、父がレンタルしに行くついでに私も2本借りてきました。DVDを借りるのは初めてでした。「レインマン」(1988年)と「レナードの朝」(1990年)です。どちらも素晴らしかったです。

「レインマン」は、何年か前から興味があったのですが、先月読んだ「ぼくには数字が風景に見える」で触れられていて、是非見ようと思いました。これは元旦に見ました。

レインマン [DVD] / ダスティン・ホフマン, トム・クルーズ, バレリア・ゴリノ (出演); バリー・レビンソン (監督)



本作のテーマを一言でいうなら、「自閉症を通した愛」です。ダスティン・ホフマンの演じる自閉症の男と、トム・クルーズの演じる青年との、数日間のやり取りが描かれています。自閉症の男はまた、私が最近関連本をいくつか読んでいるサヴァン症候群でもあり、数字とスケッチに優れた才能を発揮しています。彼は、同じく自閉症とサヴァンのあるキム・ピークという有名な男性がモデルになっています。

本作で特筆すべきは、自閉症という、多作品にはないテーマを扱っているという点です。本作が公開された88年当時は、一般の人は自閉症という言葉すら聞いたことがなく、全く理解されていませんでした。そのため本作中でも、青年は自閉症の男に何度もしびれを切らしています。それでも、制作側は自閉症をよく研究してありましたし、ホフマンの演技も見事でした。

やはり名作と言われるだけありました。

「レナードの朝」も、1日に見ました。本作は、先日読んだ「妻を帽子と間違えた男」の著者オリバー・サックスの別の著作「めざめ」が原作の映画で、事実を基に制作されています。

レナードの朝 [DVD] / ロバート・デ・ニーロ, ロビン・ウィリアムズ, ジュリー・カブナー, マックス・フォン・シドー (出演); ペニー・マーシャル (監督)



本作のテーマは、「麻痺と闘う人間の物語」これに尽きます。ロビン・ウィリアムズ演じる医師が、ロバート・デ・ニーロの演じる患者に、ある新薬を試すと……。

全くの偶然なのですが、これら2作がとても似ていて驚きました。共に難病を扱っていて、主人公が男性2人で、しかも自閉症を持つ男(ホフマン)と、麻痺を患う男(デ・ニーロ)の恰好がとても似ていたのです。「レナードの朝」を見ているときは、2作がこんがらがりました。さらに驚くことには、両方とも主人公のダンスのシーンが印象的である点まで同じでした。

2012年の初めに、いい映画を見ることができ、いいスタートが切れたと思います。

2012年1月1日日曜日

国際基督教大学(ICU)書道部について

Last Update: May 30, 2013

この記事は、国際基督教大学(ICU)書道部の1部員による部紹介ページです。

追記:公式サイトができました!
ICU書道部(http://www.icucalligraphy.com/)

この記事を書こうと思った理由は、このブログに来て下さった方々がどんなキーワードで検索したかを調べてみると、月に数個、「ICU 書道部」かそれに類するものがありまして、きっとICU外の方、特にICUに行きたいという高校生が、ICUに書道部はあるのだろうかと思って検索したのだろうと、私は(希望はあるが根拠の無い)推測をしました。

ブログに書道部の活動をいくつか書いてはいましたが、そこには断片的な情報しかないので、そのようなせっかくの見込み客に悪いことをしたとたびたび思っていました。そこで、2012年1月1日と、ちょうど良い節目ですし、本ブログの一記事を惜しみなく私たちの部の紹介に捧げようと思った次第です。

(先輩のみなさま、私の僭越をお許し願うと同時に、お気づきの点がありましたらご連絡くださいませ。また、自ら公開していない個人情報は秘密にします。)

2011年10月に行われたICU祭での作品展の様子

名称:国際基督教大学書道部

所属:非公認団体 非公認と公認の違いは、クラブ代表者会議に出られるか否か、お金をもらえるか否か、ICUの広報物に載るか否かです。非公認という名前ですが、ちゃんと大学に書類を出しているので、大学には認められています。

活動場所:旧D館地下、生花(せいか)室という、すこぶる魅力的な場所です。学生も、大半は旧D館に地下があることを知らないか、もしくは知っていても行き方を知らないと思われます。部屋の名前からわかるように、華道部と部屋を共有しています。正式には、ディッフェンドルファー記念館東館、地下、生花室。

活動時間:火曜日19:00-21:00と、土曜日13:00-17:00

部費:1学期あたり2000円 紙、筆、表装など、書道には意外とお金がかかるのですが、この額はかなりの割安です。(例えば東京大学書道研究会の部費は月1000円です。)ちなみにICUは3学期制なので6000円/年になります。これで、紙、墨や表装の用具などを買います。ただし、合宿のときには(前回の経験から)食費、宿泊費、交通費全て込みで2万円くらい、ICU祭出品のための作品表装には、数千円かかってしまいます。

部員:数人? ここずっと来ていない人も多く、どう数えればいいかわかりません。多く数えれば10人程度。よく来ている人は4、5人です。期待していた1年生が全く入らず、書道部の喫緊の課題となっています。前部長は、小杉海京(うきょう)さんです。

顧問:リチャード・ウィルソン教授Prof. Richard L. Wilson) 専門は日本美術、日本考古学、中国美術で、書道にも造詣が深いそうですが、活動に来ることはありません。形式までです。

先生:誰もお招きしていません お金が無いというのもありますが、ICU書道部は「書道を楽しむ」をモットーにしています。

展覧会:ICU祭での展示と、もう1回くらい学内展 公的な展覧会には出品していません。


これまでの活動

2011年
2月 書道部が立ち上げられる
4月 本格的に活動が始まり、一気に4人(私も含む)入部
9月1-3日 静岡の伊東で2泊3日の書道合宿。猛烈に蒸し暑い中、みなさん書きに書きまくる
10月29-30日 ICU祭にて作品展
11月21-30日 小杉さんが単身ヨーロッパに飛び、ストリートや大学で書道パフォーマンス

2012年
1月1日 小記事公開
1月7日 ICUにて書き初め大会
4月25-28日 ICU本館にて華道部と合同作品展
9月2-4日 伊東にて第2回合宿
11月3-4日 ICU祭にて作品展

2013年
1月8-9日 書き初め大会
2月12-15日 華道部と合同卒業展
5月28-31日 華道部と春の合同展

予定

通常活動

Last Update: May 30, 2012