スライドデザインは抑制、シンプル、自然さ:「プレゼンテーションzen」

退屈なプレゼンテーションはもうやめよう。本書をすべてのプレゼンター(ビジネスマン、大学教員、そして学生、など)へお送りする。

Garr Reynolds. Presentation Zen. 2008.
ガー・レイノルズ(熊谷小百合訳)(2009)『プレゼンテーションzen』ピアソン桐原

これはPowerPointなどのメディアを使ったプレゼンテーションのデザインの本である。特に問題とするのは、スライドデザインだ。そう。文字を詰め込んだスライドは諸悪の根源である。細かい文字は読みにくいし、ノートを取る時間もないし、話し手のスピーチにも集中できない。プレゼンテーションの主役は、スライドではなく話し手なのに。こんな経験は、大学の講義で何回もあった。(ただしすべてが悪いわけではない。事実、ELA(大学の英語プログラム)の先生たちにこのプレゼンテーションZenの影響がかなり見られ、もともとそれが私が本書を読むきっかけでもあった。)

本書は、このゆゆしき問題を禅のアプローチで解決する。つまり、デザインにおける「抑制」、「シンプル」、「自然さ」だ(本書p.247)。スライドは、あくまで話し手の視覚的サポートに留まるべきなのだ。文字や不適切な画像を使うすべてのプレゼンターに、ぜひ本書を取っていただきたい。

ちなみに、私もICUのELPの授業で2、3度PowerPointを使ったプレゼンをしたことがあるが、1回、先生のすすめでPechaKucha(ペチャクチャ)というフォーマットのプレゼンをしたことがある。知らなかったが、それも本書で紹介されていた。PechaKuchaでは、使っていいスライドは20枚だけ、しかも1枚はきっかり20秒。タイマーで容赦なくスライドは切り替わる。20X20=6分40秒の、短く歯切れのいいプレゼンだ。なかなか刺激的な時間だった。

本書は、著者のブログ「Presentation Zen」をもとにしている。彼曰く、「プレゼンテーション・デザインに関するものとしては、最もアクセス数の多いサイト」(本書p.16)だという。

今後プレゼンをするとしたら、このプレゼンテーションZenのアプローチを使うと決めた。本書は、プレゼンテーションデザインの本だが、デザイン一般の本としても一読の価値がある。いや、二読、三読の価値もあると思う。

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