日本の美、金魚をここまで極めたか。深堀隆介「金魚養画場」

昨日長野県に帰省しました。寒い。

(私のアクセス可能な図書館の中では)唯一地元の図書館にしかなかった本を、2冊借りてきてもらっていました。そのうち1冊を、年内の読書リストに滑り込みで加えます。文章ではなく、写真集ですが。

金魚養画場 [大型本] / 深堀 隆介 (著); 文芸社 (刊)



これは……予想を超えた。凄かった。

深堀氏の描くのは日本の美、金魚、ひたすら金魚です。中でも、樹脂を流し込んでは絵の具を塗り、樹脂を流し込んでは絵の具を塗りという作業を何回も繰り返して立体的な作品を生み出すという、氏独自の技法によって描かれた金魚は、本当にそれが水の中を泳いでいるという錯覚を起こさせるほど美しいものでした。平面作品も、それに劣らず美しかったです。樹脂の作品には夏の縁日で感じるような涼しさ、平面作品には金魚の優雅さ、荘厳さを感じとりました。

意識していませんでしたが、金魚がこんなにも日本に根付いた文化だったのかと強く思い起こさせる作品の数々でした。40歳にもなっていない深堀氏ですが、作品に年齢以上の深さを感じました。

美しい。どれもこれも。

これら純和風の作品を見て、私も俄然、書道の創作意欲が湧きました。以前から書道でやりたいことはたくさんあったのですが、時間とお金の問題上(前者はどうとでもなるけど後者はなかなか難しい。)、実行できずに頭の中でぐるぐるしています。書道がしたい。

実は私も、他に選択肢が無かったら美大とか芸大に行きたいなあという夢がありました。本気で考えてはいませんが。書道ではなく、日本画とかデザインとか陶芸とかを学びたかった(そして正直今も学びたい)です。

ともあれ、年の瀬に、いいものを見ました。これは買いだ。

深堀隆介のオフィシャルサイトはこちら

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