Bananaに心を洗ってもらった

前記事で1962年当時の390円を安いと書きましたが、1965年の物価を見ると、理髪料金が350円で、白米10kgが1125円ということらしいですので、390円は本の値段としてはまあ妥当なようです

さて、成人の日の今日、時間もありましたので、図書館で借りてきた本をまた読みました。(ノ´д`)

「TUGUMI」です

TUGUMI(つぐみ)
作者: 吉本 ばなな
出版社/メーカー: 中央公論社
発売日: 1989/03
メディア: 単行本






いつかむかしサニローさんが読んでいたような…そのときから少しずつ読みたくなって、やっと決意しました。

「確かにつぐみは、いやな女の子だった。」という書き出しで始まります。

この物語のヒロインの一人、つぐみは、生まれつき病弱で、か細くはかない体つきでした。が、それに反発するように彼女は「意地悪で粗野で口が悪く、わがままで甘ったれでずる賢」かったのです。

そんなつぐみともう一人のヒロイン、まりあ達との、海沿いの田舎での懐かしくはかなく淡い青春の一期間を描きます。

この作品には、他の多くのレビューにあるように、情景描写、心理描写がとても多い。比喩を多用し、さらにこれらを幻想的なものにします。

海沿いの町。浜、波、潮風、潮の匂い…。幸福、怒り、驚き…。都市には無いやわらかな空気の流れが、つぐみやまりあの町をすっぽり包んでいます。私は海を間近で見るのは10年くらいありませんし、潮の匂いなんてわかりませんが、その町のあまりに純朴で、そして芯のある時の流れに、なんだか優しくなれるようです。

そしてどこまでも「強がる」つぐみに、元気をもらえるような気がします。たとえその強気が過ぎて体を壊してしまっても…。

読んで、心が落ち着きました。自分もつぐみらと同じ青春の中にあるのですか…。('Д⊂

コメント

このブログの人気の投稿

「書道八段」は大した称号じゃない

「55個の母音を持つ言語」というギネス記録は間違いである

「お腹と背中がくっつくぞ」の勘違い